犬同士の関わり(オンリード編)

「お散歩の時に他の犬と仲良くしてほしい」

これは多くの飼い主さんが期待することです。

パピークラスに参加したんだから、仲良くできて当然、と思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

でも、犬同士の関わりはそんなに簡単に片付けられることではありません。

飼い主さんの過度な期待が、犬に負担をかけて状況を悪化させてしまうこともあります。

 

犬同士の関わりには、

  • オンリード(リードが付いた状態)での関わり→今回の内容です。
  • オフリード(リードを外した状態)での関わり→次回書きます!

の2つがあります。

なお、片方の犬はリードが付いていて、片方はリードが外れている、という状態での関わりは危険を伴いますから、そのような状況は決して作らないようにしましょう。

今回は、①オンリードでの関わりについてお話します。

 

日本では、ドッグランなどにでも行かない限り、普段の生活ではオンリードでの犬同士の関わりの方がずっと多いと思います。

とにかく飼い主さんに知ってもらいたいことは、

 

「みんなと挨拶させようとしなくていい」

「挨拶させるときはリードを緩めて」

「挨拶は3秒ルールで」

この3つです。

 

 

「みんなと挨拶させようとしなくていい」

 

自分の犬を散歩させているときに犬を見かけると、お互いの犬の気持ちを無視して近づけようとする飼い主さんは少なくありません。

しかし、犬は初めて出会う犬と匂いを嗅ぎ合って挨拶するとき、とても複雑な心理的な変化が起きていることが細かなボディランゲージを読み取ると分かります。

オンリードの状態ではボディランゲージが不自然になってしまったり、逃げることができなかったりと自然な行動を取ることが難しいため、

飼い主さんが相当注意深く、リードさばきを気をつけなければ、いつトラブルが起きてもおかしくないのです。

 

まずあなたの犬が、他の犬をみると、

吠えかかる、

突進する、

すぐに飛びかかる、

 

このような行動を示す場合は、

挨拶させようとすべきではありません。

あなたの犬にもかなりストレスがかかっていますし、このような状態で近づかれた相手の犬にも負担がかかり、たとえ大人しい犬だったとしても今後犬が苦手になってしまう可能性があります。

 

「吠えていても、挨拶を繰り返せばそのうち慣れるのでは?」

と思われるかもしれませんが、そのようなことはほとんどありませんし、万が一、挨拶はなんとかできるようになったとしても、

「吠えていれば犬に近づいて挨拶できる」という誤った学習が癖づけされ、結局犬を見たら興奮して吠えてしまいます。

 

犬を見ると興奮してしまう犬の場合は、まずは、

・挨拶をさせようとしない

・犬を見かけたらできるだけ遠い段階で回避する

これを徹底しましょう。

そして、

・犬を見ても興奮しない距離を飼い主さんが知る

・自分の犬がかなり高い確率で反応できる(喜んで食べる)トリーツを持ち歩く

といったことも重要になってきます。

「サーチ」(床に落としたトリーツを探す)

「タッチ」(飼い主さんの手に鼻でタッチする)

といった視界をコントロールするコマンドをトレーニングすることも効果的です。

 

 

「挨拶をさせるときはリードは緩めて!!」

「挨拶は3秒ルール」

 

 

次に、あなたの犬が、それなりに落ち着いていて、他の犬におとなしく近づける犬の場合、

相手の犬の様子も気を付けながら、お互いが望むのであれば、挨拶させてあげたら良いと思いますが、

挨拶させるときに気をつけなくてはいけないことは、

「リードを緩めておく」

ということです。ついつい、飼い主さんは、何かあったら心配、ということで、挨拶させる前からリードを強く張って近づけてしまいます。

しかし、そうすると犬の緊張はどんどん高まり、自由な動きも取れないため、些細なことですぐに興奮のスイッチが入ってしまう状況での挨拶になってしまいます。

挨拶させるときは、リードを緩めた状態で、絡まりに気を付けながら挨拶させましょう。

 

そして、挨拶をさせるときは、あまりしつこく匂いを嗅ぎ合うのではなく、

3秒程度でいったん離れましょう。

 

初めは落ち着いて挨拶ができていても、長い時間至近距離にいると、どんどん興奮が高まり、

威圧的な態度を取ったり、興奮してオーバーに遊びに誘ったりするようになります。

オンリードでは遊べませんから、もし相性が良くても一旦離れて、冷却期間を作ることが大切です。

特に1歳前後から3歳くらいまでの若年期の犬は、落ち着きがなく、好戦的な態度を取ってしまうことも少なくありません。

それが癖づかないように、早めに挨拶を終わらせて、落ち着いた挨拶を癖づけるようにしましょう。

離れるときは、急にリードを引っ張るのではなく、飼い主さんが歩き出しながら犬の名前を読んで、自然と相手の犬から離れられるのがベストです。

 

 

「どんな犬とも愛想よく、仲良くして欲しい」という期待は、犬の性格を無視した、飼い主さん本位のものかもしれません。

特にリードが付いた状態というのは、思い通りに動けないフラストレーションもあり、興奮を助長しやすくなります。

犬にとって、非常に不自然な状態での関わりを強いているのだということを理解した上で、無理のない範囲で挨拶させてあげてください。

 

私の犬は、犬のそばを通り過ぎるだけなら特に問題ありませんが、

リードが付いた状態で臭いを嗅ぎ合うのは得意ではありません。

例えば、同じ性別で、サイズも同じくらい、テンションが高い、となると、好戦的になる場合があります(咬むことはありませんが)。

ですので、私は自分から近づけることはなく、挨拶をさせずに通り過ぎようとします。

しかし、中には、こちらが去っているのに挨拶させようと付いてくる飼い主さんもいます(苦笑)。

こういうときは、「ごめんなさい、うちの犬、他のワンちゃんが苦手で・・・」と愛想よく断りを入れて立ち去るようにしています。

しかし、このことについて、うちの子はみんなと仲良く挨拶ができなくてダメな犬だ、とは正直思っていません。

人や犬に迷惑をかけないようにコントロールできれば、問題のないことだと思っています。

 

逆に、あなたの犬がとてもフレンドリーで、リードが付いていてもどんな犬とも上手に挨拶ができる犬の場合、飼い主さんはとても気楽ですし、犬仲間も作りやすいと思います。

一点だけ気をつけてもらいたいことは、

挨拶している相手の犬が嫌がっていないか、ストレスを感じていないか、ということに気を配ってあげてください。

相手が嫌がっているなら近づけない、そしてフレンドリー同士でも挨拶は短めに。

 

犬同士の関わりというものは、人間の思い通りになるものではありませんし、特にオンリードでは本当に難しいものです。

ステレオタイプ的なフレンドリーな犬になれなくても、できるだけ周りに迷惑をかけずに、犬に負担をかけない形が取れれば、それで良いのではないかと思います。

 

DSC_0563
テーマ別クラス「犬同士の挨拶練習」での一コマです。お互いちょっと緊張しながら相手の様子を伺っているのが読み取れます。
屋外散歩2
こちらは屋外での通常のレッスン風景です。これくらい距離が離れていると、どちらもあまり犬を気にせず、落ち着いているのが分かります。